ロ
2004年の7月。たまたまロザンのスケジュールがまとまって空いた時があったそうだ。二人ともせっかくの休みなんだからどこかに遊びに行こうと言う事になってまず菅ちゃんが選んだのは沖縄の海。カナヅチの菅ちゃんがなぜ夏の沖縄を選んだかと言うと、菅ちゃんはディズニーのアニメーション映画「ファインディング・ニモ」が大のお気に入り。「ファインディング・ニモ」は細かい所まで配慮の行き届いたかなりの名作だと考えているようで、そのニモが見たくなったらしい。でもカナヅチのくせに海に行きたくなる程好きなんだから相当なものだな。
ちゃんとレッスンを受けて観光ダイビングを経験してきたそうだが、魚の事など良く知らない菅ちゃんは海に潜ってニモに似た魚を見つけると大はしゃぎ。「ニモや!」と喜んでいるとインストラクターさんに至って冷静に「あれはニモではありません。ただのクマノミです、ニモはカクレクマノミです。」と直されたらしい。いや、インストラクターさんには違う種類の魚かもしれないけれど、菅ちゃんには全部ニモにしか見えないんだろう。
一方宇治原さんは菅ちゃんが海を選んだのならと山を選んだ。それもどうせなら日本一の山を目指そうとチャレンジしたのは日帰りの富士登山。
朝、軽装のまま新幹線に飛び乗り、東京駅から高速バスを乗り継いで富士山の五合目まで辿り着いたのが既に昼頃。日帰りのつもりで出てきている宇治原さんは6時頃には帰りのバスに乗りたい。五合目の茶屋のおじさんに頂上往復の所要時間を尋ねると「登り5時間、下り3時間が標準」と答えられたそうだ。富士登山にもルートはいくつかあるが、貸し馬の馬糞がたくさん落ちていて、何度か踏んでしまったと言っていたようだし、この標準時間から言ってもおそらく河口湖口ルートだろう。
おじさんの言う標準時間だけかけていると8時間かかる事になる。でも自分に残された時間はたった6時間。それでもここまで来たら引き返せない。とりあえず登り始めた。ともかくがむしゃらに登る、登る。結局5時間かかると言われた登りは3時間半で踏破。頂上まで登った証拠に写真だけ撮ると、ゆっくりする間も無く下山。下りはほとんど走っている勢いで所要時間1時間。合計4時間半で五合目まで戻ると、登る前に所要時間を聞いたおじさんは、最初のうちは頂上まで行ってきたとは信じようとはしなかったが、宇治原さんがどうやら本当に4時間半で頂上まで往復してきたのだと判ると「富士山のガイドにならないか」とスカウトされたそうだ。
でも、結局この登山は菅ちゃんに対抗して話題作りの為にチャレンジしただけのもので、翌日やっぱり自分も休みにはゆっくりしたいとあらためて海に行って楽しんだそうだ。見上げたプロ根性だ…