テンピュール
一
商品名 NASAが開発した新素材を元にスウェーデンのファゲダーラ社が開発した体圧分散機能を持つ新素材 枕やマットレスとして商品化されている。
ロ
あるとき、菅ちゃんがテンピュールの枕とアイマスクそしてトランジットピロー(乗り物に乗ったときに首にはめて頭を安定させる枕)を買ったのだそうだ。テンピュールは話題の新素材だからけっこう良いお値段する。枕はデザインによってお値段も異なるが多分3点で3万円はくだるまい。
ロザンに限らずよしもと興業所属の若手芸人は東京ルミネや名古屋栄3丁目劇場、広島紙屋町劇場、岡山3丁目劇場、福岡ゴールデン劇場と全国の吉本劇場に定期的に出演するため、けっこう新幹線や飛行機での移動が多い。車中での安眠はなんとしても確保したいだろうから、菅ちゃんにすれば安い買い物だと思ったのだろう。買った時にはさも得意げにBサンデーで『テンピュールの枕を買った』と話していた。
ところが、菅ちゃんがテンピュールを買ったと話した翌週、宇治原さんがこんな話をしはじめた。菅ちゃんが得意げにテンピュールの話をした日から間を置かずして、東京に仕事で行く機会があったのだそうだ。菅ちゃんは新幹線に乗るやいなや、新幹線が動き出す前から(宇治原さんの表現によると)あたかもドラえもんがポケットから道具を取り出す時の効果音が鳴り響くかのように大げさにテンピュールのトランジットピローとアイマスクを取り出し、すぐに身につけると眠りだしたのだそうだ。そして、新大阪東京間の約3時間ずっとそのまま眠り続けた。
やがて東京駅と言うところで宇治原さんが菅ちゃんに声をかけた「菅ちゃん、もうすぐ東京着くで、起きや。」すると菅ちゃんは目をさまし、朦朧とする意識の中でボソッと一言つぶやいた「しんどっ(関西弁で疲れたと言う意味)」 宇治原さんは、3時間の前振りの末のボケに、静かな新幹線の車内であやうく「お前、しんどかったんかいっ!」と突っ込みかけたと笑っていた。菅ちゃん曰く「あれ首が締まりすぎて暑いねん。俺の首が太いんやろか?」「はずしたくてもお前(宇治原さん)の手前はずせへんし、ずっと暑いのガマンしてたわ」しんどいのなら見栄張らずにはずせよ。
では、テンピュールのアイマスクとトランジットピローはそれでお蔵入りになったのかと言うと、もったいないと思ったのか、それとももう慣れたのか、その後も愛用を続けているようだ。もしも、あなたが新幹線の車内で、濃紺のテンピュールのアイマスクとトランジットピローを付けて爆睡する小柄な青年を見かけたら、多分それは菅ちゃんに違いない。